コラム

古代ハワイの神話と伝説 第1回

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この記事を書いたのは ウェブスタッフ

今月より、数ヶ月毎に
当ハーラウ 大阪クラス在籍中の
ダンサーHiroeちゃんが
古代ハワイの神話や伝説などについて
とても興味深いお話しを当コラムの為に
書き下ろしたnew記事を掲載。
皆さまにお届けしたいと思います。

どうぞ応援宜しくお願いします!♡︎

-Author:大阪クラス/ Hiroe-

 

ストーリーの面白さはもとより、古代のハワイにあった信仰や世界観をうかがえるという意味でも、興味が尽きないハワイの神話や伝説の数々。そこに登場する個性豊かなキャラクターたちをご紹介しながら、ハワイ文化の魅力をお伝えします。

 

 

第一回

KūとHina

 

ハワイの神さまといえば、まず名前が挙げられることが多いのが、「Kū」「Kāne」「Kanaloa」「Lono」の四大神。いずれも、キリスト教化以前からある、ハワイの土着的な信仰の対象です。それにしても不思議なのは、いずれもHawaiʻiの外からやってきた神々として語られてきたこと。しかも、なぜかまず到着した島も違っていて、LonoはMaui島、それ以外はLānaʻi島だったと語られることもあるようです1)。ハワイのひとびとが、もとをたどれば遠く離れたタヒチやマルケサスなどの島々からわたってきたとされることにも通じる話ですが、さらに興味深いのは、それぞれやってきた時代も違うとされること。一番乗りは妻のHinaをともなったKū、次にKāneとKanaloa、最後にLonoと続いたとされ、Lonoにいたっては、Hawaiʻiをいったん去ったあとまた戻ってきたとも語られます。史実としての記録ではないにせよ、ある時期、Hawaiʻiと南半球の島々との間に、少なからぬ相互交流があったことをうかがわせる話ではあります。

こんなふうに、いずれも「やってきた神」として信仰されてきた四大神のなかで、ハワイのひとびとを最初に治めたとされるのが、やって来るのが早かったKūとHina。夫であるKūとその妻であるHinaという組み合わせが、大地の豊かさや子孫繁栄の願いを連想させますが、彼らに対するハワイのひとびとの信仰は、そのネーミングのなかにしっかり刻まれていたりします。まず、ハワイ語で「kū」といえば「まっすぐ起きあがること」2)。一方、「hina」は「横たわること」であり、「落ちる」「転ぶ」といった、なんとなくマイナスのイメージもあるのが不思議だったりしますが、重要なのは、「Kū 」と「Hina」が、この世界で対になっているあらゆることがらをあらしているということ。たとえば、太陽がのぼりはじめる朝はKūの時間帯であり、沈んでいく夕刻はHina。なので、東方向への祈りはKūに捧げられ、西向きにはHinaがその対象ということになります。また、「上昇」は「やってくるひとたち」という意味で未来の「子孫」をあらわし、「下降」は去っていったひとびと、つまり「先祖」の象徴だったりもします。こんなふうにたどってみると、KūとHinaによってあらわされているのは、空間的なこの世界全体や時間的な過去と未来であり、もっといえば、世代を越えて連なっている人間のつながりでもあって、しかもそのはじまりのところに、KūとHinaがいるということになりそうです。

そんな、繰り返される日常とともにあったと思われるKūとHina。はじまりの人間を思わせる素朴な神々への信仰は、古代のハワイのひとびとにとって、人間にとっての歴史が未来永劫続くことへの、切なる願いそのものだったのかもしれません。

 

参考文献

1)Beckwith M: Hawaiian Mythology. Honolulu, University of Hawaii Press, 1970, pp2-30

 

注 釈

1)18世紀末から19世紀はじめにかけて、ハワイの島々を統一すべく奮闘したKamehameha一世が、Oʻahu島に進攻する前に、別名「Kū -moku」(Kūの島)と呼ばれていたLānaʻi島を訪れて語ったとされる次のことばは、当時のハワイのひとびとの信仰が、自らのルーツを語るものでもあったことをうかがわせます。「われわれの先祖が最初にHawaiʻiの地に足跡を残したことを記念して、われわれはLānaʻi島を訪れた」(Beckwith, 1970, p9)

 

2)「Kūkilakila」(山が美しく)そびえるに含まれる「kū」もこれと同じことば。

 

※現在、下記のサイトでも執筆中。

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ハラウナープアオクアリィのウェブ管理を担当させていただいております、ウェブスタッフです。フラを始めたばかり。自分の勉強も兼ねて記事を書かせていただいております。