本文へ移動
見学・体験

Mele & Culture

Home Kapakaの歌詞・意味・背景

執筆
Hālau Nā Pua O Kūaliʻi 主宰 首藤雅恵
編集・校正
Lani Records / 合同会社Lani

私たちがこの「Home Kapaka」を踊るようになったのは12〜13年ほど前からなのですが、
この曲を習った頃のことを最近、いろいろと思い出す機会があり、たいへん懐かしく思ったので今日はこの曲について少し書いてみたいと思います。

あくまでも、私自身がハワイの先生やこの曲をレパートリーにしているハワイアンミュージシャンから教えてもらったこと、それに付随して自分で調べたことなどを中心に述べていますので、「こういう説もあるみたい」「こんなエピソードもあるよ」というようなことがあればぜひ教えてくださったら嬉しいです。

タイトルの「Home Kapaka」ですが
Home(ホメと読みます)はホーム、自宅とか我が家、故郷などを指す言葉です。
Kapaka(カパカ)は、タバコのハワイ語ですが、Oʻahu島Koʻolau山脈の東、Hauʻulaという地域に近い海辺の街“Kapaka(この場合は地域名)”にこの曲の作者の両親の家がありました。

その昔、タバコの栽培が盛んで、それによって経済的にも潤っていた地域であったことから、「Kapakaの街」と呼ばれるようになったのです。

作者の Madelin Kaululehuaohaili Lam(Maddy K. Lam / 1910年〜1985年)は、1930年頃から1980年代の初頭まで、作曲、作詞、アレンジと非常にたくさんの名曲を生み出し「ハワイアンミュージックの黄金時代の宝」と呼ばれるような人でした。

幼い頃からMaddyの家庭では音楽はなくてはならないものであり、 Maddyの母は子どもたちのために歌を作り、父はMaddyにウクレレと年配者に愛されている伝統的なハワイアンソングをたくさん教えて育てたそうです。

そのような家庭環境で育った作者は生涯を音楽と共に過ごしました。一緒に演奏をしている仲間や音楽を教えていた生徒やダンサーたち(フラも教えていたとのこと)をよく家に招きもてなし、楽しい時間を過ごした愛しいHome(我が家)。そんな想いからこの曲は誕生したそうです。

「Home Kapaka」は、故郷の家、家族、仲間との時間をあたたかく思い出すメレ。曲の背景を知ることで、踊りの表情もより深くなります。

Ka nehe o ke kai lana māli
Ke ʻala līpoa e moani nei
波は優しく穏やか
海藻の香りが風に運ばれ漂う

これは2番目の歌詞なのですが、
私の知り合いのハワイアンミュージシャンはこの曲のこの歌詞を歌う時、幼い頃を思い出して「いつも感極まってしまう」と言います。
小さい頃に、この海辺はお祖父様によく遊びに連れて行ってもらった場所だそうで、魚釣りや泳ぎ方などを教えてもらった懐かしい記憶がたくさん詰まっているそうで、歌っていると幼かった自分や若かりし頃のお祖父様が鮮明に蘇って来るんだそうです。

この曲を踊る時、いつもこのエピソードを話すと彼と彼のお祖父様を思い出してしまいます。

A ʻike i ka nani o Kaliuwaʻa
Ka beauty aʻo Sacred Falls kaʻu i aloha
美しいカリウヴァ
神聖な滝
私の愛する場所

3番目の歌詞に出てくるカリウヴァというのは滝の名前です。この滝にはたくさんの逸話や神話が残されています。

カリウヴァと呼ばれるようになった由来ですが、「Ka-liu-waʻa」liuは船底の意でwaʻaがカヌーの意なのですが、豚の様相をした半神半人のカマプアアが彼と彼の家族の敵から逃げる際に、彼の体を利用して崖を登る時につけた「蹄(ひづめ)の跡」と言われています。

また、この渓谷と滝から流れる小川を「カルアヌイ」と呼ぶ場合もあります。
大きな窪みがカヌーの水抜き穴に似ていることもそのように呼ばれるようになった由来のようです。

カマプアアは、人間の母から生まれたのですが、豚の姿をしていたので生まれた彼を見て一目でクプア(カラクプア。半神半人、霊的な領域に達した人間を超越した存在、魂)だと悟ったそうです。

この場所は古来から非常に神聖な土地柄であり、滝の奥にはヘイアウ(儀式などを執り行う祭壇が祀られていた)があり、その昔は門番(見張り)がいて女人禁制だったそうです。
そして、ここは別の次元の世界への入口だったとも言われていました。(非常に特別な場所であり、限られた極わずかな人間にしか立入ることが許されなかった場所だったようです)

※このSacred Falls(州立公園)は1999年に崩落事故以来閉鎖

Hoʻi au ia home o na makua
Nanea e hau’oli me nā hoaloha…

両親の家でたくさんの仲間たちと過ごすかけがえのない時間、作者の喜びや温かい感情がダイレクトに伝わってくる歌詞。
温かく変わらない愛、穏やかで何より大切なものをこのシンプルな歌詞が教えてくれますね。

一つひとつのバースに、いろいろな表情や背景があり、
とても興味深く、大好きな「Home Kapaka」。
これからも皆で大切に踊っていきたいと思います。

2015年 Aloha Kākou! コンサート

場所: はまぎんホール
Hālau: Nā Pua O Kūaliʻi
Band: Kale O Hawaiʻi

Mahalo.

見学・体験 クラス